弁護士への相談事例集

事故直後ではなく、しばらくして意識障害が現れた場合に高次脳機能障害が認められるか。

記事作成日:

【相談内容】

自転車で交差点を走行中、赤信号無視の大型貨物自動車にはねられました。事故後、高次脳機能障害が疑われる症状がありますが、高次脳機能障害が後遺障害と認定されるには、事故後に意識障害が発生したことが必要と聞いたことがあります。

事故直後には意識障害はなかったのですが、しばらくしてから意識障害が出現した場合でも高次脳機能障害と認定されることはあるのでしょうか。

【弁護士の見解・回答】

事故後の意識障害は、脳実質へのダメージがあったことを推測させるものとして重要な意味を持ちますが、必ずしも事故発生の直後に生じるとは限りません。それは、頭蓋骨の中にどのようなケガを負ったのかと、脳実質へのダメージの伝わり方にも関係するからです。

例えば、自転車と自動車とが衝突し、自転車を運転していた被害者が転倒した事故で、次の経過をたどった事案があります。

被害者は、自転車ごと転倒したとき、地面に頭をぶつけましたが、自転車や着衣が損傷したほかには、手足に若干の擦過傷がある程度でしたので、救急車は呼びませんでした。現場に到着した警察官に事故状況を説明するなどした後、病院へは行かず、そのまま自宅に帰りました。

ところが、被害者は、帰宅直後に急に気分が悪くなり、そのまま玄関で意識を失って倒れてしまったのです。事故で頭部が強く揺さぶられた衝撃で、頭蓋骨の中で出血が起こり、事故直後にはまだ出血量が少なかったので異常に気付かなかったのが、時間の経過と共に頭蓋骨内に血がたまり、大きくなった血腫(血の塊)が脳実質を圧迫したため、意識喪失に至ったのでした。

幸い、間もなく帰宅した家族が倒れている被害者を発見して救急車を呼んだために一命はとりとめましたが、発見されずそのまま放置されたら生命の危険もあったそうです。

被害者はその後、自賠責保険で脳外傷による高次脳機能障害と認定されました。

この事案のように、事故直後に意識障害が認められなくても、時間の経過と共に出血が進行して脳を圧迫し、脳へダメージが生じて、外傷による高次脳機能障害が残存することがあります。

日弁連交通事故相談センターに相談するメリット

ご相談いただくことで、交通事故の賠償問題について、経験豊富な「弁護士」から「事案に応じた適切なアドバイス」「無料」で受けられます。

一人で悩まないで、ささいなことでもご相談いただくことで、「解決への道筋」が見えてくるはずです。

交通事故にあってしまった時は
まずは、ご相談ください。

・電話相談は10分程度でお願いしております。

・面接相談は30分×5回まで無料です。

当センターの法律相談でよく相談される事例を参考として紹介しています。掲載にあたっては、相談者の秘密に十分に配慮するとともに、わかりやすい内容とするために、事案を加工し、抽象化、一般化、匿名化しています。

また「弁護士の見解・回答」は、記事作成時の法令に基づきます。 その後に法令が改正されている場合がありますので、御留意ください。

-弁護士への相談事例集
-,

Copyright© 公益財団法人 日弁連交通事故相談センター , 2026 All Rights Reserved.