相談内容
当センターの面接相談で、横断歩道歩行中にバイクに衝突され、右足脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)骨折の傷害を負った方から、加害者の任意保険会社から提示された慰謝料等についての相談を受けました。相談者は、弁護士に依頼をすると慰謝料が増額するという弁護士事務所のインターネット広告を見て相談にみえた、ということでした。
弁護士の見解・回答
相談者から怪我の内容や入通院の状況についてお話を伺い、これに基づいて、赤い本、青本などを参考に慰謝料額の試算をしたところ、任意保険会社の提示する約150万円の慰謝料よりも50万円ほど増額する見込みがあったので、その旨助言しました。
もっとも、赤い本、青本などの慰謝料基準は、弁護士基準、裁判基準などとも呼ばれ、弁護士が示談交渉にあたる場合や裁判をする場合に参照されるもので、被害者ご本人が保険会社の担当者と示談交渉する場合には、採用してもらえないことが多いことも助言しました。
この助言に対し、相談者の方は、50万円程度の増額であれば、弁護士に費用を支払って依頼するのは少しもったいないし、かといって、自分で裁判をするのも難しいというお話しをされました。
そこで、このままの慰謝料金額で示談したくないのであれば、当センターの示談あっせんを申し立てる選択肢があることをお話ししました。
当センターの示談あっせんは、弁護士が公平・中立な立場から、当事者双方のお話しをお聞きし、赤い本、青本などを参考にあっ旋案を示すなどして、示談成立のためのお手伝いをするもので、無料でご利用いただけます。
示談あっせんは、多くの場合2回以内の期日で解決しており、早期の解決も期待できる上、示談成立率は8割を超えていますので(令和5年度の成立率87.37%)、紛争解決の実効性も高い制度です。
弁護士が示談成立のお手伝いをしますので、慰謝料については、原則として赤い本、青本を基準にすることになります。
費用対効果の観点から、弁護士に依頼して弁護士費用をかけることが躊躇される場合には、当センターの示談あっせんの利用を検討することも一つの方法です。
なお、相談者は、弁護士費用の負担を理由として弁護士に依頼をすることをためらっておられたので、弁護士に依頼した場合の費用について補償する弁護士費用保険についても説明しました。
弁護士費用保険は、必ずしも自動車保険に限らず、例えば 火災保険 やクレジットカードの特約として付けられている場合があり、そのような特約がないか、特約がある場合には、その特約が自動車による交通事故に適用できるか確認するよう助言しました。その結果、相談者は、助言を踏まえて、今後の進め方について検討をすることとなりました。