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弁護士への相談事例集

夫が運転する乗用車に同乗中の妻の損害と、夫の過失(被害者側の過失)について

記事作成日:

相談内容

当センターの面接相談で、夫が運転する乗用車に同乗中に事故に遭った妻から相談を受けました。

相談者は夫が運転する乗用車の助手席に同乗していました。夫が片側二車線の国道の第二車線を走行中、第一車線から加害者が運転する乗用車が合図を出さずに突然第二車線に車線変更して夫の車両の前に割り込んできたため、制限時速を20㎞ほどオーバーして走行していた夫は、衝突を避けようととっさに右に急ハンドルを切り中央分離帯に衝突しました。

夫と相談者は、頸椎捻挫(けいついねんざ)、腰部捻挫(ようぶねんざ)などの傷害を負い、治療終了後、加害者の任意保険会社からそれぞれ賠償額の提示がありました。

それによると、任意保険会社は夫の過失割合を3割と主張し、夫への賠償額だけでなく、同乗していただけの相談者の損害からも3割の過失相殺がされていたので、相談者は驚いて当センターの面接相談にいらっしゃいました。

弁護士の回答・見解

確かに、関係車両を運転していたのは加害者と夫であり、相談者は同乗していただけの被害者ですから、なぜ過失相殺されなければいけないのかと驚くのは無理もありません。

しかし、被害車両の同乗者が加害車両の運転者に損害賠償請求をした場合に、被害車両の運転者の過失を「被害者側の過失」として過失相殺することが認められる場合があります。

最高裁判所の判例は、「被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係」にある者の過失については、被害者本人以外の過失でも、これを考慮して過失相殺できるとしています。その根拠は、損害の公平な分担の理念や、「財布は一つ」といえるような関係において求償関係の一挙解決の合理性にあると説明されています。

もちろん、夫の過失割合を3割とする保険会社の主張については検討が必要であり、今回の事故が、加害者運転の進路変更車と夫運転の後続直進車との衝突事故であり、加害者が合図を出さずに進路変更したこと、その反面、夫も制限時速を20㎞ほどオーバーして走行していたことを考慮すれば、夫の過失割合は2割程度ではないかと考えられ、相談者にはその旨の助言をしました。

また、被害者(被害者側)に過失があり、過失相殺される場合でも、過失相殺された部分の損害額について人身傷害保険でカバーできる場合もあるので、相談者には契約している自動車保険に人身傷害保険がついていないか確認するよう助言しました。

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当センターの法律相談でよく相談される事例を参考として紹介しています。掲載にあたっては、相談者の秘密に十分に配慮するとともに、わかりやすい内容とするために、事案を加工し、抽象化、一般化、匿名化しています。

また「弁護士の見解・回答」は、記事作成時の法令に基づきます。 その後に法令が改正されている場合がありますので、御留意ください。

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