弁護士への相談事例集

交通事故の加害者と連絡がつかない場合の対応

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【相談内容】

当センターの面接相談で、事故の相手方との連絡がつかないが、今後どうしたらよいかとの相談がありました。

相談者の方は、自動車を運転中、交差点手前で信号待ちをしていたところ、後続の自動車に追突されました。また、加害者は、プライベートで自動車を運転しており、任意保険に加入していませんでした。

損傷した自動車の修理も終わり、健康保険を利用して怪我の治療も終わったため、賠償についての話をしようと事故現場で交換した加害者の携帯電話番号に何度も電話をかけているが、連絡がつかない状態とのことです。

【弁護士の見解・回答】

このような場合、治療費など、人身に関する損害については、加害者が加入している自賠責保険会社に被害者請求をすることで自賠責保険から支払いを受けることができます。

自動車事故証明書を取得し、加害者の自賠責保険会社等を確認した上で、被害者請求の手続きをとるように助言しました。

加害者が自賠責保険にも加入していない場合には、政府保障事業に対する請求が可能です。

また、ご自身が契約している自動車保険の契約で使える保険(人身傷害保険や無保険車傷害保険)があれば、ご自身が契約している自動車保険から支払いを受けることが出来ます。

自動車の修理費用といった物的損害については、自賠責保険のような強制保険がありません。自身の契約する自動車保険に車両保険の契約があれば、ご自身の契約している自動車保険から支払いを受けることが出来ます。車両保険の契約がない場合には、加害者から賠償を受けるしか方法がありません。

電話に出ない人との交渉は困難ですが、電話に出ないのであれば、請求内容をまとめた文書を郵送してみることを勧めました。

その上で、加害者が対応をしてこない場合には、弁護士に交渉や訴訟を依頼することも可能です。ご自身が契約する自動車保険に弁護士費用担保特約がある場合には、特約の上限(300万円としている保険会社が多い)までは、自分で弁護士費用を負担せずに依頼をすることができます。

しかし、このような特約がない場合には、ご自身で弁護士費用を負担する必要があります。弁護士に依頼をしても、加害者が自動車保険の保険料を支払う資力もないために任意保険契約をしていなかったような場合には、仮に裁判で勝訴判決を得ても、結果的には加害者から賠償が受けられず、費用倒れになる可能性もあります。

そこで、当センターで行っている示談あっせんの申立てをすることを勧めました。

物的損害しか生じていない事故で、加害者が、当センター所定の任意保険・共済に加入していない場合は、示談あっせんの対象とはなりませんが、本件のように人身損害が発生している事故では、加害者が自賠責保険・共済しか加入していない場合や無保険の場合でも、人身損害と物的損害の両方について、示談あっせんを利用することが可能となります。

示談あっせんのメリットは、申立てをするにあたって、訴状のような難しい書類を作る必要がなく、無料で利用できるので、費用負担の心配がありません。

もっとも、示談あっせんの手続きに加害者を呼び出しても、加害者が出席しなければ、双方の合意によって解決する手続きである示談あっせんはできません。そのような場合には、訴訟提起をすることが必要となります。

日弁連交通事故相談センターに相談するメリット

ご相談いただくことで、交通事故の賠償問題について、経験豊富な「弁護士」から「事案に応じた適切なアドバイス」「無料」で受けられます。

一人で悩まないで、ささいなことでもご相談いただくことで、「解決への道筋」が見えてくるはずです。

交通事故にあってしまった時は
まずは、ご相談ください。

・電話相談は10分程度でお願いしております。

・面接相談は30分×5回まで無料です。

当センターの法律相談でよく相談される事例を参考として紹介しています。掲載にあたっては、相談者の秘密に十分に配慮するとともに、わかりやすい内容とするために、事案を加工し、抽象化、一般化、匿名化しています。

また「弁護士の見解・回答」は、記事作成時の法令に基づきます。 その後に法令が改正されている場合がありますので、御留意ください。

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