弁護士への相談事例集

任意保険会社と示談をした後に予期に反する後遺症が残った被害者からの相談

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【相談内容】

相談者は、昨年交通事故で左腕を骨折したものの、医師から全治6週間との診断を受けたため、治療終了後(事故から2か月後)に加害者の保険会社と示談をして治療費及び慰謝料等を受け取りました。

しかし、事故から3か月後に、左腕の具合が悪化し、改めて医師に診てもらったところ、予期に反する重傷であることが判明し、再手術を余儀なくされ、左腕に後遺症が残ったとのことでした。

示談書には「今後一切の請求を放棄する」と書かれているようですが、このような予期せぬ後遺症につき、追加で損害賠償金を受け取ることはできないかとのことで面接相談に見えました。

【弁護士の見解・回答】

弁護士はまず、一般的に、交通事故の示談は「その内容で最終的な解決とする」という契約であり、特に、示談書に「今後一切の請求を放棄する」との条項がある場合には、後から追加で損害賠償請求をすることは原則できないことを説明しました。

しかし、最高裁判所は被害者救済の観点から、「示談当時予想できなかった不測の損害」について、例外的なルールを認めており、相談者のように、医師から全治6週間と診断され、事故から2か月後に「これ以上の損害は出ない」と信じて示談した後に、予期せぬ重傷の治療や後遺症が残ったことによる損害は、「予想できなかった不測の損害」に該当し、賠償請求権を放棄していないと判断してもらえる可能性があります。

ただし、弁護士は、この判例の考え方が適用されるためには、以下の三つのハードルを乗り越える必要があるとした上で、第一に、当時の医師の診断内容や治療経過から見て、その後の症状悪化が医学的にみて予測が困難であったこと、第二に、示談金額が後に判明した後遺症を加味した本来の損害額に比べて著しく低いこと、第三に、その後遺症が交通事故によるものであるという因果関係があることが必要であることを説明しました。

今後の進め方について弁護士は相談者に対し、まず、医師に相談して、新たな重傷や後遺症が交通事故と因果関係があることに加え、当時全治6週間とされた症状が示談後に悪化したことが医学的に予測困難であったことを裏付ける後遺障害診断書等を作成してもらった上で、再度面接相談を受けてもらい、自賠責保険に対し後遺障害等級認定を申請することをアドバイスしました。

自賠責保険から後遺障害等級が認定されれば、後遺障害に伴う逸失利益や慰謝料などに加えて、示談成立後の治療費や傷害慰謝料などの追加の賠償について、保険会社と再度の示談交渉ができる可能性が出てきます。

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また「弁護士の見解・回答」は、記事作成時の法令に基づきます。 その後に法令が改正されている場合がありますので、御留意ください。

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